クラウド

クラウドシステムはなぜ中小企業に良いのか?

企業においては近年、クラウドシステムの利用が進んでいます。クラウドシステムは社内にサーバーを置く場合と異なり、中小企業にもメリットがあることが特徴です。たとえば少額のコストで始められること、専任のシステム管理要員が必要ないなどがあげられますが、それ以外にも多くのメリットがあります。

今回は、中小企業がクラウドシステムを導入するメリットを取り上げます。その上で、クラウドシステムが中小企業のシステム化における悩みを解決する手段であることを解説していきます。

中小企業ならではの、システム投資に関する悩み

中小企業でシステム投資を行おうとする際には、大企業と異なる悩みがあります。ここではクラウドシステムのメリットを解説する前に、システム投資に関する悩みを2点取り上げ、解説していきます。

費用対効果が得られるかどうか不安

中小企業がシステム投資を行う場合、大企業と比べて多額の経費を削減したり、利益アップにつなげることはなかなか難しいものです。一方でシステムの価格など、初期導入コストは高額となりがちです。このため少ない資金のなかで、システム投資に関する費用をねん出しなければなりません。

もし大金を投じたにも関わらず求める成果が出なければ、せっかく投じた資金も無駄となってしまいます。このため費用対効果を考え、どうしてもシステム投資には慎重となりがちです。特に発生する業務量が少ない場合は、多少非効率でも手作業でなんとかすることを選ぶ場合も、少なくありません。

人がいない

中小企業は、少ない従業員で業務を回さなければならないことも特徴です。1人何役もこなす必要がありますから、システム専任の担当者を置く余裕などない企業も多いでしょう。

なかにはパソコンに少し詳しいという程度で、システム担当者を兼任させるケースもあるかもしれません。このような状況の場合は、複雑なシステムの保守・管理を社内で担当することは難しい場合も多いでしょう。

クラウドシステムの活用により、多種多様なメリットが得られる

中小企業がクラウドシステムを導入する目的に、業務効率化をあげる企業は多いでしょう。もちろんこれは、クラウドシステムを導入する代表的なメリットの1つです。しかしこれ以外にも、クラウドシステムを導入するメリットは多数あります。

ここではクラウドシステムを活用する4つのメリットを取り上げ、それぞれ解説していきます。

迅速に始められる

クラウドシステムは、迅速に始められることが特徴です。申込みを済ませれば、すぐにサービスを使い始めることができます。

このことは、サーバーを社内に置く場合と対照的です。社内に置く場合は、まず見積もりを取った上で稟議を通さなければなりません。さらにサーバーが搬入されて使えるようになるまでには、どうしても日数を要してしまいます。

短期間でも利用でき、利用停止の手間もかからない

クラウドシステムは、短期間の利用ができることも特徴です。契約後に思い通りの機能が使えないとわかったならば、契約を解除すればよいのです。利用した期間分だけの費用で済みますから、試しに使ってみることもできます。

社内にサーバーを置く場合は、このようなわけにはいきません。利用を停止してもサーバーなどの現物は残りますから、処分方法をどうするか検討が必要です。特にハードディスクなどは情報漏えいが起きないよう、適切に処分しなければなりません。

システム管理の手間が軽減され、常に最新の機能が使えるサービスもある

クラウドシステムのなかにはサーバーだけでなく、ソフトウェアの機能込みで提供されるサービスがあります。これはSaaSと呼ばれており、代表的なものにG Suiteや、Microsoft Dynamics365があげられます。これらは、システム全体をサービス提供元が管理していることが特徴です。

このため機能追加や不具合の修正プログラムも、サービス提供元の判断で適宜実施されます。これらの費用は月額料金に含まれますから、追加料金を気にする必要はありません。また、セキュリティ対策も確実に実施されますから安心です。

またシステムダウンなどの重大な不具合が起きた場合でも、サービス提供元が迅速に復旧作業を行います。これはサーバーを社内に置くシステムの場合、復旧要員を御社で手配する必要があることと対照的です。

出張先からの利用も容易

データを社外に保管するタイプのクラウドシステムなら、出張先からの利用も容易に実現できます。なぜならクラウドシステムから見ると、社内からの利用でも出張先からの利用でも、外部からのアクセスという点では同じであるためです。このためインターネットにつながり、ログインさえできればどこでも使うことができます。

これは、社内にサーバーを置く方法と大きく異なる点の1つです。社内にサーバーを置くなら、出張先からのアクセスに対応したシステムを用意する手間がかかります。しかしクラウドシステムなら、その必要はありません。

クラウドシステムが中小企業に良い理由

これまで解説した通り、クラウドシステムには多くのメリットがあります。これからは、クラウドシステムが中小企業に良い理由を4点取り上げ、解説していきます。

限られた経営資源でも、最新のシステムを利用できる

中小企業は人や金といった経営資源が、大企業よりも限られます。しかしクラウドシステムならば多額の設備投資を行わなくても、最新のシステムを使い始められる点がメリットです。

加えてシステム管理に関わる多くの作業は、システムの運営会社で実施することが可能です。このため、システム管理に関わる人的な負担を大きく軽減できます。システム担当の業務が軽減される分、本業に人員を集中させることで利益のアップにつなげることが可能です。

ビジネスルールを見直すきっかけとなり、業務効率化がはかれる

中小企業では費用対効果が得られないなどの理由で、システム化を進められなかった業務も少なくありません。このため、非効率な業務がそのまま残っている場合もあるでしょう。クラウドシステムなら月額や年間といった料金体系となっていますから、少額でもシステム化が可能です。このためまとまった初期費用が不要であり、業務効率化に寄与できます。

一方でクラウドシステムでは設定項目が多数用意されているものの、カスタマイズは困難な場合が多いです。このため「使い勝手を従来のシステムと同様に」といった要望には対応できません。しかしこのことは、非効率な業務を見直すきっかけとなります。

たとえば業務をクラウドシステムに合わせる過程で、ビジネスルールを見直すことが必須となります。従って本当に残すべき業務とそうでない業務を仕分けることができ、業務の効率化をはかることにより経費節減につながります。

経営方針を大きく転換する際、システムが変化の足かせにならない

企業では、ときに経営方針を大きく転換することもあります。特に社歴の浅い企業ではスピードを求め、頻繁に経営方針が変わる場合もあります。

このような場合でも、クラウドシステムなら使った期間分だけの料金で済みます。従って変化に対して迅速に対応するという観点でも、クラウドシステムの活用は有効です。

もし大規模なシステム投資を行った後で経営方針を転換すると、これまで投資したシステムは無駄となるおそれがあります。この場合は「もったいない」という意識が先立つ余り、システムを捨てる判断がなかなかしにくいことが難点です。これにより最悪の場合、ビジネスチャンスを逃すおそれもあります。

リモートワークにも容易に対応できる

クラウドシステムなら、今さかんに叫ばれている「リモートワーク」にも容易に対応できます。使い方は、出張先からの利用と同様、ログインができればよいわけです。あとは勤怠など、働いた時間と実績をどう証明するかなどのルールを決めればよいでしょう。

特に国際的かつ大規模なイベントが開催される場合は、交通混雑を気にせず仕事ができる点で有効です。このようなケースでは、従業員が問題なく出勤できるか頭を悩ませる方も多いでしょう。もちろん時差出勤なども1つの方法ですが、リモートワークを実現することで従業員のストレスを軽減し、生産性をアップすることにつながります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?クラウドシステムは中小企業に対してさまざまなメリットがあります。このため、システム化の有効な手段となることがおわかりいただけたと思います。

クラウドシステムはこれまでシステム化に二の足を踏んできた方でも、導入しやすいサービスとなっています。今後の競争を勝ち抜くためにはシステム化が必須ですから、この機会に活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

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