クラウド

クラウドファースト時代のシステムインテグレーション Part2

前回「クラウド」の概念について整理してきましたが、今回はクラウドファースト時代のシステムインテグレーションについて考えていきいます。ROITでは、SaaS型クラウドアプリケーションを主に取り扱っているため、SaaS型クラウドサービスについて述べていきます。

SaaS型クラウドサービスの特徴

前回、「クラウド」は、ネットワークを通じて必要なサービスを必要なときに必要な分だけ受けられるというという特徴があると説明しました。それでは、SaaS型クラウドサービスの特徴は何になるのでしょうか?

低コスト

これまでのオンプレミス型のシステム開発では、初期導入費用として、導入検討コスト、サーバー、ネットワーク、OS、データベース、アプリケーション、インフラ構築コスト、アプリケーション開発コスト、その他周辺機器類などがかかります。

保守運用費用として、社内の人件費、保守サポート費、リース料、減価償却費、業務委託・外注費、ライセンス料、施設費(場所、管理費)、固定資産税、法対応のバージョンアップコストなどがかかります。

SaaS型クラウドサービスでは、これら費用を含んで月額定額料金でサービス提供されているため、オンプレミス型のシステムよりも安く導入・運用できることが一般的です。ただし、利用ユーザ数が多い場合に、オンプレミス型で構築したほうが安くなるケースもある点は注意しておく必要があります。

拡張性が高く、経営環境の変化に柔軟に対応可能

これまでのオンプレミス型のシステム開発において、開発期間が1年~2年かかる場合には、サービス開始時には経営環境が変わっており、サービス開始直後に仕様変更が行われることも珍しくありませんでした。

また、M&A等による会社の統廃合、新規海外事業所の展開など、これまで以上に経営環境の変化は予測が難しい状況であると言えます。

これら経営環境の変化にオンプレミス型システムで対応すると、コスト面とスピード面で非常に困難です。SaaS型クラウドサービスであれば、経営環境の変化に応じて最適なサービスを選択することができ、調達決定後にすぐにサービス利用できるため、従来のオンプレミス型のシステムに比べ、スピーディーに導入が可能です。

SaaS型クラウドサービスがフィットする企業とは?

これらの特徴から、当社では、SaaS型のクラウドサービスが、大手グループ会社、中堅・中小、ベンチャー企業に適したサービスだと考えています。システム投資費用を必要十分な額に抑えることができ、会社規模の拡大、縮小に応じて選択するサービスを柔軟に変更することができるためです。

SaaS型クラウドサービスのインテグレーション方法

SaaS型クラウドサービスは、どのような導入方法が適しているか、これまでシステムインテグレーションの現場にいた経験をもとに考えていきます。今回はポイントとして3つ挙げています。

① システム導入後に柔軟に変更する

これまで主流のウォーターフォールモデルでは、要件定義フェーズで必要な要件を出しておかないと、開発の検討にも挙がらないため、「必要かもしれない」もしくは「必要になるかもしれない」要件もあげて、検討、開発されることがありました。

結果として、開発した機能がすべて必要というわけではないケースもあり、過大なIT投資になることがありました。また、既存機能への影響を避けるため、サービス開始後の追加・変更については、できるだけ行わないことが多いです。

SaaS型クラウドサービスが変化に柔軟という特徴を述べましたが、ビジネス運用上必須の機能にしぼって、導入・開発していくことも可能です。

これまでは、サービス開始時にできるだけ100点のシステムを構築しようとして、多くの時間とコストを費やしてしまい、過大なIT投資になるケースがありましたが、ビジネス運用上必須機能にしぼって70点のシステムでサービスを開始し、システムを利用しながら、不都合が出た場合に柔軟に変更を加えていき100点のシステムに近づけていくアプローチも可能です。

経営環境が常に変化しているため、100点のシステムを最初から構築することは非常に困難です。SaaS型クラウドサービスの特徴を生かして、必要十分の機能にしぼって投資することは、コスト面、機能面において非常にメリットがあります。

② 標準機能の有効利用

SaaS型クラウドサービスの標準機能を有効利用しながら、出来る限り個別開発を行わないことで、IT投資費用を抑えます。

これまでのパッケージ導入では、パッケージ標準機能に合わない機能は、個別開発することで要件を満たしてきましたが、バージョンアップ時や機能追加の際に、個別開発した機能の影響を調査するコストが多大にかかっておりました。

調査に時間をかけても、調査範囲が大きいため調査漏れが発覚し、本番環境でトラブルが発生するケースもありました。SaaS型クラウドサービスでは、充実したカスタマイズ機能用意されており、ある程度標準機能で業務要件を満たすことも可能になってきています。

標準機能を有効活用することで、拡張性を維持し、個別開発のコストと影響調査コストを削減することが可能となります。

③ 実物を確認しながらの開発

SaaS型クラウドサービスでは、調達(契約)後、すぐに設定画面を操作することが可能であり、初期設定が完了すれば、業務アプリケーションの画面や帳票を見ながら設定していくことが可能になります。

ユーザは、実物を見ながら要件を整理していくことが可能であり、実際にシステムを利用しているイメージを持ちながら開発していくことが可能です。ドキュメントベースでの要件整理よりも認識の齟齬を早期に発見できます。それにより、ユーザテスト時の「こんなはずじゃない」を減らすことができ、プロジェクト後半でのトラブルを減らすことにつながります。

まとめ

IT投資コストを抑え、変化に柔軟な、ユーザの満足度が高いシステム導入を行うために、これまでのシステム開発とは異なるSaaS型クラウドサービスの特徴を生かしたアプローチが必要になってくると考えています。これからも実案件での経験を生かして、最適なSaaS型クラウドサービスの導入方法の情報を発信していきたいと思います。

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