Dynamics 365

中小企業が業務システムにおいて、アドオンやカスタマイズを外注するデメリット

システム開発においては、多くの企業がアドオンやカスタマイズを求めます。これはパッケージ化されたシステムの活用においても例外ではありません。しかしアドオンやカスタマイズを外注することは費用がかかることはもちろん、それ以外の面においてもさまざまなデメリットがあることは見逃せません。

一方でMicrosoft社が提供するDynamics365とPowerAppsを活用することで、アドオンなどを外注せずに御社に合った業務システムを作ることが可能となっています。本記事では業務システムにおいてアドオンやカスタマイズを外注するデメリットを解説し、PowerAppsを活用するメリットを説明していきます。

業務システムにおいて、アドオンやカスタマイズをしたくなる理由

業務システムにパッケージ製品やクラウドシステムを用いる場合、導入の検討時において業務の棚卸しを行い、極力パッケージなどに合わせることが基本です。しかし実際には以下にあげる理由により、アドオンやカスタマイズをしたくなりがちです。ここではその理由を3点取り上げ、順に解説していきます。

自社の業務フローに合わせる必要がある

企業や業務によっては、以下のように業務フローがしっかり決められている場合もあるかもしれません。

  • 長年かけて確立された業務フローやビジネスルールがある
  • トップの一声で決められた業務フローであるため、変えることができない

この場合は業務フローの変更を許容しない限り、業務をパッケージに合わせることができません。従ってアドオンやカスタマイズを施し、システムを御社の業務フローに合わせてしまいがちです。

他社にないプロセスがある。あるいは、他社との差別化をしたい

業務システムにおいては、以下のように汎用化された製品では対応が難しい場合もあります。

  • 業界内で自社のみ取り扱うサービスである
  • 他社と差別化をしたい部分であるため、パッケージに業務を合わせたくない
  • 企業秘密、かつ自社の強みに関する業務である

上記はパッケージなどで対応できない業務ですから、該当する業務についてはIT企業に依頼し、アドオンやカスタマイズを行いがちです。

できるだけ現状と変えたくない

上記2つの理由にあてはまらない場合でも、アドオンやカスタマイズを求める企業は少なくありません。それはシステム更新に伴う現場の反発があるためです。現場で働く多くの方は業務プロセスを変えられると操作方法も変わるため、最初から覚え直さなければなりません。これは現場にとっては面倒なため、業務が煩雑になるなどを理由に抵抗することが多いです。

この状況を打破するためには経営層のリーダーシップが必要ですが、多くの企業では漫然と「現状通りに使えること」を要件にしがちです。特に新しいシステムの導入自体を目的とする場合は、「要件は現状維持」となるケースも少なくありません。これではシステムを新しくしても業務改善には至らず、利益の向上に寄与することも難しくなります。

アドオンやカスタマイズを外注するデメリット

ここまでで説明した理由により、多くの企業ではパッケージなどを導入する際、アドオンやカスタマイズの開発を求めがちです。しかし少量であっても、アドオンやカスタマイズを外注することには少なからずデメリットがあります。

ここでは主なデメリットを3点取り上げ、どのような問題があるか解説していきます。

アドオンやカスタマイズを行うための追加費用や時間がかかる

最大の問題点は、アドオンやカスタマイズを施す事で、追加費用や開発期間を要することです。もしアドオンやカスタマイズの開発を依頼することが決まった場合、できるだけ使いやすいようにするため、多くの要望を盛り込みがちです。このため、以下のような費用や時間がかかります。

  • アドオンやカスタマイズを開発するための費用
  • 打ち合わせの時間や、開発そのものに関する期間(従って、システムの利用開始は開発完了まで待たなければならない)
  • 本稼働後の保守費用(アドオンやカスタマイズ部分を含むため、パッケージのみを利用する場合と比べて高額となる)

特に大規模なアドオンやカスタマイズを依頼すると、上記にあげるデメリットの影響を大きく受けます。ときには、アドオン開発費用がパッケージ本体の費用を上回るケースもあります。

一方で中小企業においては、必要なシステムの規模が小さくて済む場合も少なくありません。従って本記事の後半で述べる通り、クラウドサービスであるDynamics365とPowerAppsを活用して、御社に必要な機能を追加することが可能です。

バージョンアップされた製品やサービスがリリースされても、すぐに使えない

アドオンやカスタマイズを外注する2点目のデメリットは、せっかくパッケージ製品等がバージョンアップしても、すぐに使えない点にあります。それはアドオンやカスタマイズの開発は、パッケージ製品との連携を確認しなければならないためです。このためシステムの提供は、どうしても新しいバージョンのリリース後となってしまいます。

またアドオン等を開発する打ち合わせは、新しいバージョンのリリース後に始まる場合もままあります。その場合はバージョンアップの製品を含めて、利用できるまで数ヶ月かかる場合も珍しくありません。

一度アドオンやカスタマイズを施してしまうとその機能が標準機能として取り込まれない限り、バージョンアップされる都度、改めてアドオンやカスタマイズの開発作業を依頼する必要があります。これが毎回繰り返されることは見逃せません。新しいバージョンがリリースされてもすぐに使えず、その都度時間も費用も発生することは大きなデメリットの1つです。

依頼した通りの製品が約束の時期に納品されるとは限らない

御社がアドオンやカスタマイズを依頼した場合、その内容はオーダーメイドの開発となります。この場合、あいまいな部分を残して依頼すると、納品時に「依頼したものと異なる」といったトラブルの原因となります。開発する企業は御社の従業員ではない以上、依頼時に極力発注内容を明確にすることが欠かせませんが、その為には、御社としてもシステムの仕様(使い方)を検討し、明確にする事が求められるため骨が折れる作業です。

Dynamics365なら、アドオンを外注しなくても御社で作成可能

ここまで解説した通り、アドオンやカスタマイズを外注することにはさまざまなデメリットがあります。

一方でクラウドサービスであるDynamics365なら、アドオンを外注する代わりにPowerAppsを活用して御社で作成できるため、時間と費用を節約できます。ここではDynamics365を活用するメリットを5点取り上げ、解説していきます。

Dynamics365には、豊富な機能がある

Dynamics365はMicrosoftが提供する業務用クラウドサービスであり、豊富な機能を用意しています。一例として、以下にあげるサービスがあります。

  • CRM
  • SFA
  • ERP
  • 人材管理
  • プロジェクト管理

従って御社で運用している業務システムの多くは、Dynamics365で置き換えることが可能です。加えてDynamics365では多種多様な設定項目が設けられているため、標準機能のまま業務に使える場合も少なくありません。

PowerAppsを使うことで、プログラミングスキルがなくても業務アプリを作成できる

PowerAppsは、図形を選択し配置することで、業務アプリを簡単に作成できるサービスです。Dynamics365と同じく、Microsoftがサービスを提供しています。また「作成」と称している通り、プログラミング言語の知識がいりません。従ってOfficeを使える方なら、プログラム経験がない方でも業務アプリの作成が可能です。

このことにより、以下のメリットがあります。

  • 業務プロセスやビジネスルールが変更となった場合でも、速やかに対応できる
  • トラブルが発生しても、御社で修正可能な場合がある

Dynamics365は、PowerAppsと連携可能

PowerAppsで作成した業務アプリは、簡単な手順でDynamics365と連携できます。もちろん、連携するためのプログラムは不要です。

また複数のシステムを使っている際にありがちな、二重入力の手間も不要です。このため、システム間の連携をシームレスに行えます。

システムに問題が発生した場合、自社で速やかに解決できる場合がある

Dynamics365とPowerAppsを活用する方法を採用した場合は、システムに問題が発生した場合に自社で速やかに解決できる場合があります。どのようなケースかというと、PowerAppsを修正することで解決できる場合です。

複数のシステムを併用して稼働させている場合、問題が発生するとどのシステムが原因か、切り分け作業を行う必要があります。もしアドオンやカスタマイズを外注している場合、切り分け作業を行うメリットは適切な問い合わせ先を確認できる点にとどまり、修正作業は外注先に任せなければなりません。

一方でアドオンやカスタマイズの代わりにPowerAppsを用いている場合、その部分の仕様は御社で把握されているわけです。従って修正作業も御社で速やかに行えるメリットがあります。

ROITの導入サービスを活用することで、導入に向けた手厚いサポートが受けられる

Dynamics365とPowerAppsを組み合わせることで、アドオンやカスタマイズの外注をせずに済ませられるケースは多いです。一方で「アドオンやカスタマイズ無しで大丈夫だろうか」「本当にPowerAppsがアドオン等の代わりになるか不安」という企業のご担当者様もいるのではないでしょうか。

その場合は、弊社ROITが提供する「導入サービス」のご活用をおすすめします。導入サービスでは以下のサービスを提供し、御社がDynamics365とPowerAppsを安心してご活用できるようサポートいたします。

  • 要件のヒアリング
  • トライアル環境の構築
  • 各種マスタサンプルの設定
  • 問い合わせ対応

もし短期間での導入が必要な場合でも、上記にあげる手厚いサポートにより安心してご利用いただけます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?以前ではアドオンやカスタマイズを外注しなければならなかったケースでも、Dynamics365とPowerAppsを組み合わせることで、余分な費用や時間をかけずに業務システムを作成できるようになっています。

従って業務システムを導入する場合は大規模な開発にこだわらず、アドオンやカスタマイズを最低限に抑えることが大切です。業務システムのなかには、他社と比較し優位性のない事項や、変更しても問題ない箇所が少なくありません。このような機能についてはパッケージに業務を合わせ、御社で実現可能な範囲にてアドオンやカスタマイズすることが重要です。

御社もこの機会に「自社独自のシステムは外注」という方針から、「外付けのシステムは自社で作成する」という方針に転換されてはいかがでしょうか?弊社がスムーズに運用できるまでのバックアップをいたしますので、まずは一度ご相談をお待ちしております。

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